SAD BUT TRUE

以前に
俺が今いるトコロに
自分をもっそい殴るオバサンの話したよね。


理由が分かった。

理由言う前に、
俺が相方にこういうオバサンおんねんで、
言うて
二人でどうしてそうなったのかを考えてた。

1．間違えてる自分が許せず、自分を殴る。
2．間違えてるけど誰か、もしくは何かに八つ当たり出来ず
　自分を殴ってる。
3．親に間違えると殴られていた。

主にこの三つが挙げられてた。


オバサンは多分50代だと思う。

いつも怯えた目をしている。

瞬きを一切しない。

人の輪に入らない。



そんなオバサンがキタばっかの頃に
やっぱ、自殴りが目に付き始めて
同年代の他のオバサンが
帰りにお茶して
「どうして、そんなに殴るの?
　ヤメナよ。」って単刀直入に言ったんだって。

自殴りオバサンは
「あたしは父親にそう躾けられたの。
　母親が止めに入るほどに殴られたの。
　自分でも自分を殴っているのはわかってるけど
　どうしても止められないのよ…。」と答えたそうな。


もうオバサンのお父さんは亡くなって
この世にはいないけど、
残ったのはオバサンの心に
「間違えたら自分を殴り倒す」という
大きな傷だけ。

昔の人だと
躾けの範囲を超えた暴力があっただろう。
今でこそ「虐待」だと騒ぐだろう。

今の「虐待で子供が死んだ」って話は
昔のソレと少しだけ意味合いが違うと唱える人もいる
かも知れない。

ただし、
このオバサンのばやい、
単なる躾けの名を借りた「暴力」には違いない。


子供が一番の被害者なのだから。
このオバサンは殺されなかっただけ
まだマシだったと思えば、
俺の近くで自責の念に駆られ
バッスンバッスン殴るオバサンがいても
俺は「仕方がない」と思うしかないのだろう。

虐待に関しては多くを語りたくはないけど
自分もその類の事が多かったから
なんとなくオバサンの気持ちはわかる。

でもね、

「かわいそう…」

だなんて思わない。


その言葉のチョイスは違う気がするから。
「かわいそう」ってのは
なんか、こう、『上から目線』に思うんだよね。


タイトルの「うるさい」ってのは
自殴りオバサンが気にならなくなったのに代わって
他のオバサンの独り言とか
歯ぐき濡れ腐り臭がハンパないオッサンの響く声と
飲みに行きたがるクソみてぇな誘いが
「うるさい」ってこと。

飲みになんてイク訳ねぇし。
昼飯もオメぇらなんかと食いたくねぇんだよ。
うるせぇなぁ…マジで。

めんどくせぇな。
小さい社会のルールみてぇなのって。